今月の主題 抗生物質をどう使うか
感染症への具体的対応
偽膜性大腸炎の早期診断と治療をどう行うか
中原 朗
1
,
樫村 博正
1
,
福富 久之
1
1筑波大学臨床医学系内科
pp.100-101
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904908
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ポイント
●偽膜性大腸炎(pseudomembranous colitis)は薬剤起因性腸炎(antibiotic associatedcolitis)の一つであり,治療目的で投与された抗菌剤の副作用として発生する.
●薬剤起因性大腸炎には,偽膜性大腸炎のほかに出血性腸炎,MRSA腸炎,Candida腸炎がある.
●偽膜性大腸炎は,Clostridium difficileの増殖とその毒素が関与していることから,C.difficile colitisとも呼ばれている.
●偽膜性大腸炎は,結腸にわずかに隆起した黄白色の境界明瞭な偽膜(白苔)が観察されることからその名称がある.
●偽膜性大腸炎の治療は,原因薬剤の中止とvancomycin投与により行われる.
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