今月の主題 抗生物質をどう使うか
抗生物質の正しい使い方
レトロビル®の適応と投与方法をどう決めるか
谷 憲三朗
1
1東京大学医科学研究所内科
pp.77-81
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904902
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ポイント
●レトロビル®は抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)剤である.本剤の適応には,HIV感染関連の免疫抑制状態の患者で,CD4細胞数が500/mm3以下の場合が挙げられている.
●HIV感染成人ならびに小児を対象とした臨床試験結果から,本剤の副作用としては,頭痛,倦怠感,食欲低下,悪心,嘔吐などとともに貧血,顆粒球減少などの骨髄抑制が最も頻度の高い検査異常所見として認められた.したがって投与量は,これらの異常所見をみながら調節していく必要性がある.
●進行期HIV患者に対しては本剤の単剤投与を続けるよりも,無効の場合は他剤による治療に早目に切り替えることが望ましいようである.
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