今月の主題 臨床医のための遺伝子工学
疾患治療への遺伝子工学の応用:遺伝子治療に向けて
日本での現状
HIV感染症に対する遺伝子治療
松下 修三
1
1熊本大学エイズ学研究センター
キーワード:
CD 4陽性細胞
,
CD 8陽性細胞
,
細胞傷害性T細胞
,
cytotoxic T-lymphocyte
,
CTL
,
複製(増殖)可能ウイルス
,
ヘルパーウイルス
,
RCR
,
replication competent retrovirus
Keyword:
CD 4陽性細胞
,
CD 8陽性細胞
,
細胞傷害性T細胞
,
cytotoxic T-lymphocyte
,
CTL
,
複製(増殖)可能ウイルス
,
ヘルパーウイルス
,
RCR
,
replication competent retrovirus
pp.2163-2165
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904814
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ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus type-1:HIV-1)感染症に対する遺伝子治療には2つのストラテジーがある1).1つは標的細胞に抗ウイルス遺伝子を入れて細胞レベルで感染抵抗性にする方法で,もう1つはHIVに対する細胞性免疫を強化する方法である.筆者らの計画は後者の方法で,平成9年5月,文部省および厚生省の了承を得た.しかしその後,米国のベクター製造プラントで増殖可能レトロウイルス(replication competent retrovirus:RCR)が検出されるロットがあることがわかり,薬事審議会の遺伝子治療用医薬品調査会で再審議されることとなった.レトロウイルスベクターを用いる限り,ある確率でRCRが出現すると考えられ,どのような基準でRCR混入が否定されたものを安全とするのかが明確にされるべきだと考えられる.
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