特集 肝と免疫2019
5.肝細胞癌治療と免疫(2)遺伝子改変T細胞を用いた肝細胞癌免疫療法
水腰 英四郎
1
,
中河 秀俊
1
,
玉井 利克
1
,
金子 周一
1
1金沢大学附属病院消化器内科
キーワード:
腫瘍関連抗原
,
細胞傷害性T細胞
,
エピトープ
,
T細胞レセプター
Keyword:
腫瘍関連抗原
,
細胞傷害性T細胞
,
エピトープ
,
T細胞レセプター
pp.555-562
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000743
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癌免疫療法の領域では米国においてchimeric antigen receptor(CAR)–T 細胞を用いた小児白血病の治療がFDA に認可され,その高い抗腫瘍効果に注目が集まっている.しかしながら,同療法は細胞表面に発現している抗原を標的としており,そのような抗原が同定されていない肝細胞癌(HCC)では,応用が難しいと考えられる.一方,HCC に発現している腫瘍関連抗原エピトープを標的とした場合には,T 細胞レセプター(TCR)を用いた遺伝子改変T 細胞療法が可能である.これまでにわれわれはHCCに特異的な腫瘍関連抗原エピトープを独自に同定し,また遺伝子改変T 細胞を作製するための基盤技術としてTCR迅速クローニングシステムを開発してきた.本稿では,この腫瘍関連抗原エピトープに特異的なTCRを用いた遺伝子改変T 細胞療法について述べる.
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