増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた
MRIの新しいテクノロジー
脳ドックとMRI—MR装置を用いた脳のスクリーニング検査の現状と問題点
興梠 征典
1
,
重松 良典
1
,
高橋 睦正
1
1熊本大学医学部放射線科
pp.303-310
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904783
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本邦では脳ドックが広く普及してきている.脳ドックは日本独自のものであり,諸外国に同様の試みはない.脳ドックの内容は多岐にわたるが,MR検査が最も重要なウエイトを占める.脳ドックが広まった背景の一つには,人口当たり世界一というMR装置の高い普及率がある.検診に基づくさまざまな問題点の検討が十分行われないうちに,MR装置を有する病院における経済的な観点と,国民のなかにあったニーズ,すなわち脳疾患に対する漠然とした不安感とが結びついて急速に広まった点は否定できない.よって今後の課題としては,脳ドックで得られたデータをもとに,さまざまな脳血管疾患の自然経過などを明らかにしていく必要がある.
本稿では,脳ドックの主要な目的である脳動脈瘤,狭窄性血管病変,いわゆる無症候性脳梗塞のスクリーニングにテーマを絞り,MR angiography(MRA)とMRIの診断精度に焦点を置いて述べることとする.また,CT angiography(CTA)の有用性についても,MRAと比較しながら述べる.
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