今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡
Na代謝とその異常
低Na血症の鑑別診断
木村 玄次郎
1
1国立循環器病センター内科(腎・透析部門)
pp.867-869
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904500
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●低Na血症は日常臨床上,最もよく遭遇する体液・電解質異常である.成因から診断・治療に至るまでを体液生理学的法則に基づいて理解できる好例でもある.
●低Na血症は,水分バランスの異常を基礎に発症することを理解することが重要である.脱水や浮腫がNaバランス異常を基礎に発症するのとは対照的である.
●特に大部分の低Na血症では,有効循環血漿量の減少が共通して認められ,発症に寄与していることを理解することが大切である.このような共通の病態では,腎における尿濃縮機構が活性化され,純水が生体内に回収される結果として低Na血症が発症する.
●尿浸透圧やNa濃度より鑑別が容易である.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.