今月の主題 呼吸器疾患の画像診断
胸部X線写真
腫瘤陰影—多発性空洞性病変
松岡 緑郎
1
1公立昭和病院呼吸器科
pp.1731-1735
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903833
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ポイント
●空洞形成を伴う多発性腫瘤影を呈する疾患としては感染症,悪性新生物,肉芽形成疾患,その他(塵肺症,敗血症性塞栓症など)があげられる.
●一般細菌,抗酸菌を除けば,感染症で留意しなければならない疾患は肺クリプトコッカス症である.
●転移性肺腫瘍で空洞化をきたしやすいものには頭頸部癌,子宮癌,大腸癌,乳癌,膀胱癌,皮膚癌がある.
●発熱が続き,抗生剤,抗真菌剤に反応しない場合は,Wegener肉芽腫を鑑別診断にあげる.
●高熱が続き,急速に空洞化を呈する場合は,アスペルギルス症,敗血症性塞栓症などを考慮する.
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