今月の主題 呼吸器疾患の画像診断
胸部X線写真
腫瘤陰影—多発性非空洞性病変
藤井 忠重
1
,
田中 正雄
2
,
関口 守衛
2
1信州大学医療技術短期大学部
2信州大学医学部第1内科
pp.1736-1742
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903834
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ポイント
●多発性腫瘤状影は感染症,腫瘍(良・悪性),肉芽腫性疾患など,単発性陰影も呈する多様な疾患に認められる.
●X線像の読影には辺縁の性状,空洞,空気気管支像,石灰化,リンパ節腫脹,経時的変化(比較読影)などが重要である.
●臨床的診断の多くはX線像と一般臨床所見で可能であるが,確定診断や治療目標により開胸肺生検や他の臓器生検も必要である.
●転移性肺腫瘍のX線病型は多彩であるが,多発性腫瘤状影が最も高頻度であり,また,本X線病型を示す大部分は転移性肺腫瘍である.
●肺転移巣の数・分布の診断と原発巣の確定は,転移性肺腫瘍の手術や内分泌・化学療法の適応を考えるうえに重要である.
●転移性肺腫瘍には肺転移の遅発発生や緩徐発育の症例があり,経過観察や比較読影上注意すべきである.
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