今月の主題 呼吸器薬の使い方
慢性閉塞性肺疾患と気管支拡張症
慢性気道炎症性疾患の増悪防止のための抗生物質の使い方
吾妻 安良太
1
,
工藤 翔二
1
1日本医科大学第4内科
pp.2369-2371
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903371
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ポイント
●びまん性汎細気管支炎(DPB)は難治性の慢性気道感染症であり,炎症の遷延化により予後不良な疾患であったが,エリスロマイシン(EM)少量長期療法により,この10年間に生存率は著しく向上した.
●EM療法の臨床評価の指標として労作時呼吸困難,喀痰量,胸部X線所見,PaO2,1秒量,CRP,寒冷凝集素価(CHA)の7項目が用いられるが,これらはEM療法によりいずれも改善がみられる.
●EMの作用としては,①ムチン産生抑制作用,②好中球に対する抑制効果,③リンパ球の活性化抑制とマクロファージ分化促進作用,などが考えられている.
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