今月の主題 神経症候—リアルタイムの診療
臨床医がよく直面する神経症候とその対応
失調
田代 邦雄
1
1北海道大学医学部・神経内科
pp.2216-2220
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901895
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ポイント
1)小脳性失調は,断綴性言語,指鼻指試験,踵膝試験,変換運動反復,跳ね返り現象,Mann試験,継ぎ足歩行などにより外来あるいはベッドサイドで診断でき,これらの定量的解析法も提唱されている.
2)四肢における小脳性失調は小脳半球,体幹の失調は小脳虫部の障害を反映する.
3)薬物中毒,Wernicke脳症,小脳出血など救急処置が重要な小脳性失調に対しては正確な診断と対応が必要となる.
4)小脳性失調の機能評価法は,経過観察,リハビリテーション,薬物療法の効果判定のためにも必要である.
5)脊髄小脳変性症は難病の1つであるが,その分子遺伝学的研究が盛んであり,遺伝子座の決定されたものもある.
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