今月の主題 虚血性心疾患Today
狭心症の治療
安定狭心症に対する治療法の選択
延吉 正清
1
1小倉記念病院・循環器科
pp.1198-1199
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901581
- 有料閲覧
- 文献概要
狭心症を治療するうえで重要なことは,その原因に冠攣縮が関与しているか否かである.通常,安定狭心症は冠攣縮の関与は非常に少ない.今回のテーマが安定期狭心症であるので,この点につき解説したいと思う.
安定型狭心症はいわゆるclassicalな狭心症で,通常高度の冠狭窄が存在し,労作や興奮などにより冠狭窄部より末梢部への心筋の酸素需要に対し,供給が不十分なために酸素欠乏症が起こり,そのために胸部圧迫感を主とする症状をきたすものである.高度冠狭窄に冠攣縮の関与している症例も存在する1)が,むしろまれである.この安定型狭心症は通常,運動負荷試験で陽性を示すので,診断は比較的容易である.さて治療法であるが,治療の目的には2つある.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.