今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡
水・電解質異常の診断から治療まで
悪性腫瘍にみられる低P血症
杉山 誠
1
,
小林 智人
1
,
石田 尚志
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.816-818
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901502
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ポイント
1)悪性腫瘍に低P血症を伴う頻度は比較的少ない.
2)腫瘍性低P血症性骨軟化症を呈するのは良性腫瘍に多く,約10%が悪性腫瘍である.
3)腫瘍性低P血症性骨軟化症は著明な低P血症,血中1,25(OH)2D低値および骨軟化症を伴い,腫瘍摘出により臨床成績の改善が認められる症候群である.腫瘍由来の液性因子が成因と考えられている.液性因子の本態は不明である.
4)前立腺癌,肝細胞癌,肺癌などは低P血症をきたすことがある.その特徴は腫瘍性低P血症性骨軟化症に類似している.
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