今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡
水・電解質異常の診断から治療まで
脱水の診断と治療
篠田 晤
1
1金沢医科大学・腎臓内科
pp.771-774
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901491
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脱水(dehydration)は体液が本来の正常量より減少した状態を指すが,単に細胞外液から水分が失われる場合以外に,細胞外液の電解質の主体である食塩が単独または水分とともに失われる場合も含まれる.電解質が失われる場合には,本来,体液量は変わらないはずであるが,電解質喪失に伴う体液濃度の低下によって2次的な水喪失が起こり,脱水に陥る.
脱水は,それに伴ってみられる細胞外液の浸透圧変化により,高張性,等張性,低張性脱水に分けられる(図).脱水がこれらのいずれをとるかは,原因が水喪失によるか,食塩喪失を主体とするかによるところが大きいが,2次的な調節機序や水分・食事摂取,補液の有無・種類によっても左右される.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.