今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡
水代謝とその異常
脱水の病態と診断
佐中 孜
1
1東京女子医科大学第4内科
pp.850-852
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904495
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ポイント
●水欠乏性脱水症の純粋型というのは,実際は存在しない.何故なら,生体が体液を喪失する際には,必ず電解質の喪失を伴うからである.したがって,本症は混合性脱水症のなかで水分欠乏の傾向が強いものと考え,欠乏量の算定を行うほうがよい.
●Na欠乏性脱水症についても,上記と同様の理由で純粋型は存在しない.水と比較して,Na欠乏の程度が強いタイプの混合性脱水症を指すと考えたほうがよい.
●混合性脱水症では,水分とNaの喪失を同時に生じる.血清Na濃度,血漿浸透圧も正常で,等張性であることが多い.
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