今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
腎・尿路疾患
急性腎炎
鈴木 洋通
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.690-692
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901471
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●初診時にまず何をすべきか?
先行する感染の有無,とくに感冒様症状の有無,尿量や尿の色,体重の変化,むくみの部位と程度などが病歴上大切な点である.身体所見では顔面の浮腫,咽頭の発赤,扁桃の肥大,心不全徴候の有無(とくに高齢者の急性腎炎では注意する必要がある),血圧の上昇,下腿の浮腫が大切である.
緊急検査としては尿の外観,混濁の有無,尿蛋白,尿潜血反応,尿沈渣での赤血球,赤血球円柱,顆粒球円柱をまず調べる.次に一般の末梢血,臨床化学,血沈,CRPなどを行う.緊急治療としては,浮腫が強い場合や尿量が減少しているときにはフロセミド(ラシックス®)の投与を行う.さらに血圧が上昇しているときには主にカルシウム拮抗薬を用いて降圧をはかる.
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