カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・30
弾性線維性仮性黄色腫の心血管病変
堀江 俊伸
1
1東京女子医科大学・循環器内科
pp.1442-1444
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901024
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●17年間経過観察中の弾性線維性仮性黄色腫
症例 32歳,女
現病歴 小学生の頃,速く走ると前胸部絞扼感があり,3〜4分の安静により軽快していた.中学3年の時,近医を受診し,運動負荷心電図にて陽性所見がみられ,労作狭心症と診断され,以後投薬を受けていた.高校1年の時に当院へ精査のため入院し,弾性線維性仮性黄色腫と診断された.以後,亜硝酸薬,Ca拮抗薬,β-遮断薬の服用により症状が軽快していた.時折歩行時に症状が出現するため,今回17年ぶりに入院した.頸部,腋窩,鼠径部に淡黄色の丘疹を認めた(図1C).冠動脈造影では前下行枝(Seg 6)に100%,回旋枝(Seg 13)に90%狭窄を示し(図1A),右冠動脈はSeg 1に75%,Seg 3に99%,4PDに100%狭窄を認めた(図1B).左室造影では駆出率63.8%と良好であった.最近では症状がでないように生活しているが,ニトログリセリン錠を使用しながら,水泳,登山などを楽しんでいる.
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