今月の主題 リンパ系疾患の臨床
リンパ系疾患診療の実際
慢性リンパ系白血病
Large granular lymphocyte leukemia
谷本 光音
1
1名古屋大学医学部・第1内科
pp.1206-1207
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900960
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ポイント
1)LGL白血病は,アズール顆粒を有する大型のリンパ球様細胞の絶対的な増加を特徴とする.
2)LGL白血病細胞は,主としてCD3+のT細胞型と,CD3-のNK細胞型に大別される.
3)他の炎症性反応との鑑別には,LGL細胞におけるclonalityの証明(染色体分析やTCR遺伝子再構成検査)が必要である.
4)臨床像は,比較的高齢者に発症し,脾腫,顆粒球減少およびくり返す感染を認めることが多く,ときにリウマチ様関節炎を合併する.
5)治療法は,慢性型では抗白血病療法は行わず,主として感染からの防御と輸血などの保存的療法が選択される.
6)最近,LGL白血病の中に,抗白血病療法にまったく反応せず急激な経過をとる症例が認められる.これら急性型の細胞形質はNK型LGL細胞のことが多い.
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