今月の主題 不整脈診療プラクティス
治療についてのセミナー
不整脈治療薬の分類と使い分け
橋本 敬太郎
1
1山梨医科大学・薬理学
pp.81-85
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900668
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不整脈治療薬の分類は,不整脈の発生機序と抗不整脈薬の作用機序の十分な理解の基に行われなければ,臨床使用の論理的な指針とはならない.不整脈治療における薬物療法は,電気療法や手術療法が不整脈発生部位を目的としているのに対し,心臓全部に分布して,発生部位と正常な心筋細胞の機能を変える可能性が考えられる.心筋細胞の電気活動に関しては,活動電位を発生させる能動的な機能と,心筋細胞同士の電気的な結合に関係するケーブル特性などの受動的な機能がある1,2).心筋の能動的な電気現象はイオンチャネルのレベルでほとんど解明されており,したがって抗不整脈薬の分類は,この能動的な性質を基にしたVaughan Williamsのものが頻用されている1).
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