今月の主題 STROKE—脳卒中診療のポイント
脳卒中:病型別の臨床
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血—手術までの管理と手術のタイミング
欅 篤
1
,
鍋島 祥男
1
1天理よろづ相談所病院・脳神経外科
pp.2452-2453
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900633
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くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage,以下SAHと略)の発生率は人口10万人に対して10〜20人で,その約80〜90%が脳動脈瘤破裂によるといわれている.そして,初回の出血発作で約20%の人が病院に到達せずに死亡し,病院に搬入されても約30%の人が出血とその合併症のために死亡し,初回出血より回復しても治療されなければ約30%の人が再出血で死亡するといわれるように1),その予後はきわめて不良である.一方,剖検例で2〜5%に動脈瘤が発見されることより,MRI(magnetic resonance imaging)やDSA(digital subtraction angiography)などの侵襲度の低い検査を用い未破裂の状態で動脈瘤をみつけ,治療することが行われつつあるが,現状では出血発作により発症し治療が開始される例が大部分である.
以下,脳動脈瘤破裂SAH患者の管理ならびに手術のタイミングについて述べる.
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