講座 図解病態のしくみ 膠原病・3
膠原病理解のために(抗核抗体)
高峰 芳成
1
1順天堂大学医学部・膠原病内科
pp.2192-2201
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900570
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
抗核抗体(antinuclear antibody;ANA)は有核細胞の核成分に対する自己抗体の総称で,全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする膠原病類縁疾患で高率に検出される.その対応抗原は,DNA, RNAなどの核酸,ヒストンおよび非ヒストン酸性核蛋白などの蛋白で,今日数多くの抗原抗体系が報告されている1).これらの抗体は膠原病の病態との関連で注目されていると同時に,特定の疾患や病像と相関するものを数多く認め,診断や治療の指標として日常診療の場で重要な位置を占めている.本稿では対応抗原別に抗核抗体を分類し,これらの検出法とその結果の解釈,ならびにその臨床的意義について述べる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.