増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
症状からみた内科エマージェンシー
35.呼吸困難
楠目 馨
1
,
松井 祐佐公
1
1京都大学胸部疾患研究所・内科2
pp.1784-1788
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900452
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呼吸困難(dyspnea)とは,呼吸することが難しいという患者の主観的な訴えである.患者は呼吸に関して多種類の不快感を経験し,これらの感覚を表現するために,多くの言葉で表現する.すなわち,“空気が足りない(cannot get enough air)”,“空気が肺内に十分いきわたらない(air does not go all the way down)”,“胸に窒息感を感じる(smothering feeling in the chest)”,“胸部の窮屈な感じ(tightness in the chest)”,“胸部の疲労感”および,“息づまり感(choking sensation)”などである.したがって,心肺疾患の主要症状としての呼吸困難とは,呼吸運動を行う際に感じる異常に不愉快な知覚(abnormally uncomfortable awareness of breathing)と定義される1〜3).
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