今月の主題 内科医のための小児診療のコツ
主な症状・疾患の診療の要点
腫瘍・腫瘤
櫻井 實
1
1三重大学医学部・小児科
pp.1360-1361
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900345
- 有料閲覧
- 文献概要
小児の悪性腫瘍は成人と病型を異にしており,それを認識のうえで診察を行う.
小児の悪性腫瘍のうち約45%が急性白血病で,その白血病のうち80〜85%は急性リンパ性白血病である.他の60%位は固型腫瘍であるが,成人に見られる腺癌,上皮癌はほとんどなく,大半はいわゆる“胎児性癌”と呼ばれるもので,発生年齢や病理組織像からみると,胎児期由来の腫瘤であることが考えられる.固型腫瘍の主たるものは,頻度からみると,脳腫瘍(良性の腫瘍も含む)が11〜12%,神経芽腫10%,リンパ腫7%,Wilms腫瘍,網膜芽腫がそれぞれ5%と続いているが,他は比較的稀である.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.