今月の主題 抗生物質の使い方
内科的感染症と抗生物質投与法
細菌性髄膜炎
長澤 浩平
1
1九州大学医学部・第1内科
pp.1170-1173
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900292
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化学療法を中心とした治療法の進歩により,細菌性髄膜炎の死亡率は減少傾向にある.しかし依然として命を脅かす疾患であることに変わりはなく,後遺症を残すこともあるので,より早期の適切な治療が重要である.
細菌性髄膜炎は他の感染症同様,起炎菌の年次的変遷はみられるが,一方,年齢によって主要な起炎菌に明らかな差異がみられることが特徴で,治療に際しこのことを念頭においておく必要がある.また近年の第3世代セフェム系抗生物質の出現,およびその研究の蓄積と,従来の抗生剤に対する耐性菌の増加により,抗生剤の投与法も少しずつ変化している.ここでは,細菌性髄膜炎の治療に対する最近の考え方について述べたい.
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