特集 抗菌薬の考え方,使い方—ホントのところを聞いてみました
中枢神経系感染症
細菌性髄膜炎
土井 朝子
1
1神戸市立医療センター中央市民病院総合診療科
pp.984-987
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224213
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Question 1
原因菌が不明の細菌性髄膜炎の治療では,CTRXやABPC,VCMやPAPMなどを併用すると聞きますが,結局カルバペネム単剤で治療することも多いです.抗菌薬選択について,実際にはどのようにされていますか? ホントのところを教えてください.
なぜ起炎菌が不明?
細菌性髄膜炎は市中と院内発症で想定される起炎菌が異なり,比較的原因菌が限定される感染症です.また市中発症でも年齢により起炎菌は異なります(表1).まずは起炎菌を想定することからです.原因菌が不明な理由はいろいろありますが,
①抗菌薬投与後に髄液検査が行われた.
②血小板減少や凝固障害による出血のリスクがあり,髄液検査が行えなかった.
③抗菌薬投与前に髄液検査が行われ,多核球の増多を伴う細胞数上昇があったが,グラム染色陰性,培養陰性であった.
などがあるでしょう.①が最も多いと思います.
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