特集 どこでもみれる?—コモンディジーズとしての感染症アップデート
感染症新薬アップデートと感染症
国内でのイミペネム・レレバクタムの適正使用とは?
西村 翔
1
1兵庫県立はりま姫路総合医療センター感染症内科
キーワード:
イミペネム・レレバクタム
,
セフトロザン・タゾバクタム
,
メタロβラクタマーゼ
,
難治耐性緑膿菌
Keyword:
イミペネム・レレバクタム
,
セフトロザン・タゾバクタム
,
メタロβラクタマーゼ
,
難治耐性緑膿菌
pp.463-467
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229460
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Point
◎イミペネム・レレバクタムは既存のイミペネムと新規βラクタマーゼ阻害薬であるレレバクタムの合剤である.
◎抗菌活性の観点からは,イミペネムと比較して,KPC型カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌とカルバペネマーゼ非依存性難治耐性緑膿菌においてアドバンテージがある.
◎国内のカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌で最も頻度の高いカルバペネマーゼは,イミペネム・レレバクタムが無効なIMP型であり,KPC型はほとんど認めない.したがって,イミペネム・レレバクタムを腸内細菌目細菌感染症において使用すべき機会は限られており,主に難治耐性緑膿菌感染症において有用な抗菌薬である.
◎イミペネム・レレバクタムは,既存薬だとコリスチンやアミノグリコシド系しか選択できない難治耐性緑膿菌感染症において,既存薬よりも臨床予後を改善し,かつ腎障害の頻度を低下させることができる.
◎難治耐性緑膿菌感染症では,同じく有用な新規βラクタマーゼ阻害薬の合剤の先行薬であるセフトロザン・タゾバクタムの感受性が確認されているのであれば,両剤の比較試験がない現状では,より臨床実績の豊富なセフトロザン・タゾバクタムをイミペネム・レレバクタムよりも優先して使用すべきである.
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