特集 一般医家のための—DOAC時代の心房細動診療
心房細動の病態と診断
脳梗塞のリスク評価
富田 泰史
1
1弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座
キーワード:
心房細動
,
脳梗塞発症リスク
,
CHADS2スコア
,
HELT-E2S2スコア
Keyword:
心房細動
,
脳梗塞発症リスク
,
CHADS2スコア
,
HELT-E2S2スコア
pp.2238-2242
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229319
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Point
◎わが国では,非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳梗塞発症リスク評価としてCHADS2スコアが用いられているものの,日本人ではCHADS2スコアを構成する5つのリスク因子すべてが有意というわけではない.
◎日本人を対象とした既存の5つのAFレジストリー研究から統合データベースを構築し,日本人NVAF患者における脳梗塞発症リスク因子を同定した(J-RISK AF研究).
◎高齢(75〜84歳),超高齢(85歳以上),高血圧,過去の脳梗塞/一過性脳虚血発作,AFタイプ,低BMIが脳梗塞発症のリスク因子として同定され,HELT-E2S2スコアが提唱された.
◎心不全や糖尿病については,罹病期間や重症度,コントロール状況などが,脳梗塞発症のリスクに関与している可能性が示唆された.
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