特集 成人が必要とするワクチン—生涯を通した予防接種の重要性
Column
ブースター接種の有効性と安全性
氏家 無限
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
pp.509
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228108
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国内における新型コロナウイルスワクチン3回目のブースター(追加)接種は,18歳以上に対して2回接種から6カ月後以降に行う方法で,ファイザー製ワクチンでは2021年11月11日,モデルナ製ワクチンでは12月16日に特例承認の適応が追加された.
ファイザー製ワクチンについては,3回目の接種を受けることで,従来ウイルスに対する中和幾何平均力価(GMT)が2回目接種後の5〜7倍以上に上昇することが報告されている1).プラセボ接種群と比較した,ファイザー製ワクチンブースター接種1週間後〜2カ月後までの有効性は約95%の発症予防効果を認め2),先行して2021年7月末にブースター接種を承認したイスラエルでの観察研究においては,2回接種者400万人以上の評価で,ブースター接種を受けることで,受けなかった人に比べて感染リスクを10倍,60歳以上での重症化リスクを18倍低減したとされる3).また,同様に80万人以上の評価では,ブースター接種を受けることで50歳以上の2回接種者と比較して90%の死亡抑制効果が報告されている4).
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