特集 ジェネラリスト・漢方—とっておきの漢方活用術
扉
吉永 亮
1
1飯塚病院東洋医学センター漢方診療科
pp.1124-1125
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227702
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漢方は現代医療のなかで,内科疾患だけでなく,消化器外科,婦人科,脳神経外科,泌尿器科,心療内科などあらゆる領域で活用されている.特に総合診療,プライマリ・ケアの現場では,内科に限らずさまざまな症状をもつ患者,診断がつかない愁訴をもつ患者,標準的治療に難渋する患者などにしばしば遭遇するが,そういった場合に漢方治療を知っていると異なる視点からのアプローチが可能になる.
また漢方治療といえば,慢性疾患に対する外来治療で,「長く飲まないと効かない」というイメージをもたれがちだが,漢方医学のバイブルである「傷寒論」は,1800年程前の後漢末期に当時流行した急性熱性疾患に対応するために編集された書物である.つまり,漢方は急性疾患に対して用いられ発展した歴史をもち,かぜやインフルエンザはもちろん,それ以外の急性疾患に対しても外来,病棟を問わずに活用できる治療であるといえる.
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