特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方
扉
平岡 栄治
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター総合内科
pp.361
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225360
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皆様もご存じの通り,日本ではどの国も経験したことのない未曽有の高齢社会となってきている.高齢者は多数の疾患を合併していることが多い.例えば,「COPD,糖尿病,高血圧,胃がんの既往がある認知症患者が心房細動を発症」といった症例にもよく遭遇する.こういった多疾患罹患患者を臓器横断的に外来診療する知識・スキルを持った総合内科医が今後ますます必要である.同じ患者が消化管出血に伴うtype 2心筋梗塞などで入院した時の管理も,臓器横断的に診療する「病院総合内科医」(hospitalist)が必要になってきている.
厚生労働省による平成28年の死亡数に関する報告1)では,循環器疾患死亡数33.9万人,心疾患死亡数19.7万人(急性心筋梗塞3.5万人,心不全7.3万人)であり,平成26年の患者数に関する報告2)では,循環器疾患入院患者数24万人,外来患者数93万人である.循環器疾患のなかで,とりわけcommonとも言える心房細動患者数は,学会ガイドライン3)にまとめられた報告によると約71万人(2005年データ)とされる3).循環器専門医数は約1.3万人とされるが4),とてもすべての循環器患者を専門医だけでケアするのは不可能であろう.われわれ総合内科医も力をつけ,循環器専門医と協力し循環器疾患診療を行うことが今後ますます求められる.
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