特集 避けて通れない心不全診療—総合内科力・循環器力を鍛えよう!
扉
平岡 栄治
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター総合内科
pp.2102-2103
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228583
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私は地域医療振興協会(JADECOM)に所属する都市部の地域病院でHospitalistとして勤務しています.JADECOMは,地域医療を行うため全国のさまざまな病院,診療所,介護老人保健施設で医療を提供しています.そこからの経験で,都市部の大病院では循環器内科があり潤沢な専門医が心不全患者を治療するものの,世の多くの心不全患者は実は非専門医が加療しているのでは,と感じています.
さらに,都市部でも近年状況は変化しています.当院のような急性期病院であれば,急性心不全患者が毎日のように来院します.基礎に複合疾患をもつ高齢の方も多く(図1),循環器力はもちろん,臓器横断的,全人的に診療する総合内科力が必要な患者が増えています(図2).肺炎や尿路感染症で入院中,心房細動,急性冠症候群(ACS),たこつぼ型心筋症などによる心不全を合併する場面にも多々遭遇します.いわゆる心不全パンデミックであり,非循環器医も避けて通れません.また循環器医も,これまでのように心不全や心房細動をすべて循環器科で抱え込むことが困難になってきていると思います.
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