特集 骨関節内科
扉
横川 直人
1
1東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科
pp.2119
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225232
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骨や関節に関する愁訴は,外来診療で最も多い愁訴の1つであり,外来受診理由の約2割,高齢になれば約半数を占めると言われています.欧米では,整形外科医は手術のみをする医師であるため,患者は主治医である内科医や家庭医にまず相談します.そのため,卒前や卒後の医学教育でも骨関節の診療は重視され,内科医や家庭医は,日常診療のなかで関節痛や変形性関節症,骨粗鬆症など骨関節の問題についても,高血圧や脂質異常症などの内科疾患と同じように診療します.
日本では,整形外科医は「骨関節のプライマリ・ケア医」と考えられているので,患者は骨関節の症状があれば,まず整形外科を受診し,また整形外科医も嫌な顔をせずに診てくれます.しかし,主治医に診てもらったほうが重篤な内科疾患が早く見つかったり,無駄な検査や複数科への通院の負担が減ったり,多剤処方や副作用が防げるなど,さまざまなメリットがあります.主治医の内科医が少しアドバイスするだけで,患者のQOLが向上することは少なくありません.
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