書評
—平島 修,志水太郎,和足孝之 編—《ジェネラリストBOOKS》—身体診察 免許皆伝—目的別フィジカルの取り方 伝授します
青木 眞
pp.1956
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225193
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臨床の極意は「自分が何をしようとしているか(≒鑑別診断)」を明確に意識・言語化することにあるといえる.その意味では本書の副題に「目的別」という言葉が含まれることが既に,この本の企画が優れていることを示しているといってよい.
3人の編集者は,筆者が医学部を卒業した頃に生まれた若い方々であるが,いずれも筆者が病気をしたら主治医になって欲しい臨床医たちである.言い換えれば,臨床現場で何が問題となっており,それ故に何を考え,何を探せば良いのかが明確な医師たちである.自然,彼らは教え上手であり,既に臨床教育の世界でかなりの知名度を持っている.この3人の若手医師たちが中心となり編集したのが本書であり,基本的に「何をしようとしているか」を軸に構成されている.具体的には「リンパ節腫脹」「しびれ」といった臨床的な切り口に対して鑑別診断を挙げてから,「探しに行くべき身体所見」を教えている.
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