書評
—松村真司,矢吹 拓 編—外来診療ドリル—診断&マネジメント力を鍛える200問
北 和也
1
1やわらぎクリニック
pp.1801
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224423
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
桜が咲き始めた春の頃,本書はついに僕の手元に届いた.手に取ると同時に目に飛び込んできた「目指せ!『外来偏差値』65!!」のキャッチコピーになぜだか少し胸が躍る.100症例200問か,ならば毎日3症例6問ずつ解いて1カ月と少しで終わらせることができる.あの日,確かに僕はそう思ったんだ.
鉛筆で解いて右上のチェックボックスに○×を付けて後で集計する.滑り出しはすこぶる好調で○が並んだ.「も,もしかして高偏差値をたたき出せるのでは!?」……傲慢な思いが脳裏をかすめる.しかし考えが甘かったことにすぐに気付く.片頭痛によるアロディニア,低髄液圧症候群の治療法,月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome),PPI(proton pump inhibitor)以外のmicroscopic colitis……どうやら知識の整理ができていないようだ.これまでにも見逃しがあったに違いない.生命には直結しないもののQOLを下げ続け得るような疾患については,ぜひともしっかり整理しておきたいのだ.だって,よくわからずにずっと対症療法し続けるなんてとても悲しい.今日ここでしっかり勉強して,明日はきっと見逃さない.そう僕は誓った.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.