GM Library 私の読んだ本
松村真司,矢吹 拓(編)『外来診療ドリル 診断&マネジメント力を鍛える200問』
北 和也
1
1やわらぎクリニック
pp.689
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200616
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桜が咲き始めた春の頃,本書はついに僕の手元に届いた.手に取ると同時に目に飛び込んできた「目指せ! 外来偏差値65!!」のキャッチコピーに,なぜだか少し胸が躍る.「100症例200問か.ならば毎日3症例6問ずつ解いて,1カ月と少しで終わらせることができる」.あの日,確かに僕はそう思ったんだ.
鉛筆で解いて右上のチェックボックスに○×をつけて,あとで集計する.滑り出しはすこぶる好調で,○が並んだ.「も,もしかして,高偏差値を叩き出せるのでは!?」.……傲慢な思いが脳裏をかすめる.しかし,考えが甘かったことに,すぐに気づく.片頭痛によるアロディニア,低髄液圧症候群の治療法,月経前症候群(PMS),PPI(プロトンポンプ阻害薬)以外のmicroscopic colitis…….どうやら,知識の整理ができていないようだ.これまでにも見逃しがあったに違いない.生命には直結しないもののQOLを下げ続けうるような疾患については,ぜひともしっかり整理しておきたいのだ.だって,よくわからずにずっと対症療法をし続けるなんて,とても悲しい.今日ここでしっかり勉強して,明日はきっと見逃さない.そう僕は誓った.
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