書評
—宮城征四郎,藤田次郎 著—Dr.宮城×Dr.藤田 エキスパートに学ぶ 呼吸器診療のアートとサイエンス
長坂 行雄
1
1洛和会音羽病院洛和会京都呼吸器センター
pp.944
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224202
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呼吸器診療の大先達の宮城征四郎先生,そこに大学での綿密な検討を加え,科学的な根拠を積み重ねているのが藤田次郎先生である.本書はこの日本の呼吸器診療を代表するお二人から,沖縄県臨床呼吸器同好会での症例検討を基に,表題通り,「呼吸器診療のアートとサイエンスを“わかりやすく”学べる」ように仕上がっている.多様な病像の20例が示され,画像もレイアウトも優れているので見直しもしやすい.
いずれの症例にも宮城先生の明快なコメントがあり,症例検討の流れが決まる.これは豊富な経験だけでなく,徹底的に文献を調べ,勉強された集大成である.一見,直観的なコメントだが,実は数字も多く挙げられ,緻密な考えがわかりやすく示されている.広範な知識を,個々の症例に的確に応用するアートの部分である.
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