連載 あたらしいリウマチ・膠原病診療の話・11
免疫抑制薬の使い方②—吊り橋を渡るように
萩野 昇
1
1帝京大学ちば総合医療センター 血液・リウマチ内科
pp.892-897
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224191
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各論(53巻3号のつづき)
2.カルシニューリン拮抗薬(シクロスポリン・タクロリムス)
シクロスポリン,タクロリムスなどのカルシニューリン拮抗薬は,臓器移植領域における長い使用経験がある.いずれもIL-2の発現を阻害し,ヘルパーT細胞の活性化を抑制することによって免疫抑制作用を発揮すると考えられている*1.カルシニューリン拮抗薬の導入により,特に固形臓器移植のグラフト生存率は大きく向上し,死体腎移植の1年生着率は75%から87%に向上した.
高度に脂溶性の化合物であり,経口内服した場合のバイオアベイラビリティが低い.シクロスポリンはタクロリムスと比較して腸管からの吸収が胆汁に依存するところが多く,患者間ないし同一患者内でのバイオアベイラビリティに差が生じる原因となる.
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