書評
—越前宏俊 著—医薬品副作用対応ポケットガイド
木内 祐二
1
1昭和大薬学部/薬学教育推進センター
pp.185
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223924
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
薬物治療は現代医療の基幹をなしていますが,多様なメカニズムをもつ新薬が続々と登場するとともに,また,高齢化に伴う薬物治療の複雑化により,有効性とともに副作用(有害反応)のリスクも明らかに高まっています.こうした薬物治療の最前線で,安全で確実な薬物治療を実践するためには,膨大な医薬品情報の効率的な利用と高度な判断力を要します.従来,副作用が疑われる場合は,個々の薬品の添付文書の記載から副作用を確認するとともに,その治療・対応は治療マニュアルに当たらなければなりませんでした.本書は,目前の患者に副作用が疑われた場合,その症状や検査値から原因薬物を推測し,適切な対応を行うという,著者の言う「逆引きする」実践を重視した書となっています.
本書では,多彩な副作用を,「アレルギー機序または偽アレルギー機序」「内分泌・代謝」「腎機能・電解質」「血液」「循環器」「上気道・呼吸器」「消化器」「眼科領域」「耳鼻科領域」「筋・骨格」「神経」「精神科領域」「その他の分類できない副作用(全身性を含む)」に分類して章立てし,112にものぼる副作用について解説しています.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.