特集 自信がもてる頭痛診療
なんといっても頻度の高い一次性頭痛を診る
【片頭痛】
Column
不思議の国のアリス症候群
工藤 雅子
1
1岩手医科大学内科学講座神経内科・老年科分野
pp.1296
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223601
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「不思議の国のアリス症候群(Alice in wonderland syndrome)」は,てんかんや片頭痛などに関連する奇妙な症候として1955年にイギリスの精神科医Toddによって提唱された1).この名称は,Lewis Carrollの小説「Alice's Adventure in wonderland(邦題:不思議の国のアリス)」からとられているが,同小説のなかで主人公アリスは,自分の身体の一部が伸びたり,大きくなったり,逆に小さくなったりする現象(図1)を体験しており,これが本症候群におけるbody imageの障害(後述)と類似していることからつけられた名称である.Lewis Carrollは片頭痛に悩んでいたとされ,自身の片頭痛発作時の体験をもとにこの小説を創作したのではないかと推察されている.
本症候群は以下の4症状で形成される.
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