特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗U1 RNP抗体
髙崎 芳成
1
1順天堂大学医学部膠原病内科
pp.435-437
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104865
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
抗U1 RNP(U1 ribonucleoprotein:U1リボ核蛋白)抗体は,snRNP(small nuclear RNP)の1つであるU1 RNPに対する自己抗体で,混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)の診断に必須な抗核抗体(antinuclear antibody:ANA)として知られている1).U1 RNPはU1 RNAと9個のポリペプチド(70 kDa,A,B/B', C, D, E, F, G)より構成され,抗U1 RNP抗体はこのうち70 kDa, AおよびC蛋白を認識する1).
抗U1 RNP抗体産生のメカニズムは明らかではないが,マウスレトロウイルスp30gagやインフルエンザBウイルスM1 matrix proteinと70 kDa蛋白,さらに単純ヘルペスウイルス-IとC蛋白などとの分子相同性が報告されており,ウイルス感染が抗体産生を誘導する引き金となっている可能性が論じられている2).また,内因性のU1 RNAによるTLR(toll-like receptor)-7への刺激の関与も論じられている3).
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