増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液検査
血栓・止血検査
血管内皮マーカー
高蓋 寿朗
1
1呉医療センター・中国がんセンター血液内科
pp.115-116
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223222
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検査の概要
血管内皮細胞とは大血管から毛細血管に至るすべての血管の表面を単層状に覆う細胞である.通常は血管内で異常な血栓形成などをきたさないように機能しているが,血管損傷,炎症,過凝固状態に際しては,血管内皮細胞自体も活性化し,白血球,血小板の接着,凝集を誘導するように機能することが知られている.高度な血管内皮の活性化,あるいは血栓形成などに伴い血管内皮細胞障害が生じていることを,血漿中の「血管内皮マーカー」によって検出することが以前から試みられてきた.
多くの血管内皮マーカーの可能性が提唱されてきたが,現在では可溶性トロンボモジュリン(soluble thrombomodulin:sTM)とvon Willebrand因子(von Willebrand factor:VWF)が特に有用であると考えられている.VWFについては別項でも解説するので,本稿ではsTMを中心に解説し,ほかの血管内皮マーカーの候補についても触れる.
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