増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液検査
血球検査
白血球数,白血球分類
東田 修二
1
1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学講座
pp.53-55
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223199
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検査の概要
白血球は病原微生物や異物から生体を防御する機能をもつ細胞であり,骨髄の造血幹細胞から分化,成熟して産生される.白血球は5種類の細胞からなり,好中球は細菌の貪食,好酸球と好塩基球はアレルギーに関与する.これら3種類の細胞を総称して顆粒球と呼ぶ.リンパ球は抗体産生や細胞性免疫などにかかわり,単球は組織でマクロファージとなって貪食や抗原提示を行う.白血球の増減をみる際には,白血球数や各分画の百分率だけでなく,白血球数に各分画の百分率を掛け合わせた,絶対数の増減をみる必要がある.
白血球数はEDTAを加えた血液を検体として,自動血球計数器を用いて測定される.白血球分類はこの装置でフローサイトメトリー法による自動分類が行われるが,自動分類できる細胞は正常白血球の5分画に限られ,好中球の桿状核球と分葉核球の区別はできず,白血病細胞がリンパ球分画に入ってしまうこともある.よって,白血球数や分画に異常がある検体や造血器腫瘍が疑われる検体では,塗抹標本の鏡検による目視分類を行う必要がある.
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