特集 ウイルス肝炎の薬物治療—変わりゆく治療戦略
ウイルス肝炎の正しい理解
慢性肝炎の進展度と新たな線維化測定法
海老沼 浩利
1
1慶應義塾大学医学部内科学教室
pp.230-236
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223094
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ポイント
●肝線維化の進行に伴い,発癌や食道静脈瘤などの合併症のリスクが増加する.また,C型肝炎では線維化が進行するほど,インターフェロン治療効果が低下する.
●肝線維化の評価のgold standardは肝生検による組織学的評価であるが,血液検査値,糖鎖バイオマーカー,超音波・MRIなど画像検査を用いた肝硬度測定などが,肝生検に代わる方法として臨床応用されている.
●Fiborscan®では,近年線維化に加えて肝脂肪度(CAPTM)も測定可能になり,脂肪肝炎に対する有用性が期待できる.
●非侵襲的に肝硬度を測定することで,肝臓の線維化を頻回に評価できるようになることから,発癌予測や治療効果の確認など,臨床の場でその有用性を発揮できる.
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