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卒後研修病院のあり方
高岡 善人
1
1長崎大内科
pp.1165-1167
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223059
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法案成否のカギを握る研修病院の指定と整備充実
今回の医師法の一部改正の最も大きな重点は付帯決議がつけられていることであって,これが忠実に実行されてはじめて生きた法律になる.したがって問題はむしろ今後に残されている.今こそ明治以来百年の反省をなすべき時であり,早急に解決すべき問題と恒久的に対策をねるべき問題とがかみあっている.この中で研修病院の指定と整備充実こそはこの法案の成否を握る重要なカギであることは申すまでもない.
現在指定されている研修病院は若干の例外はあっても(たとえば長崎で指定されてしかるべき病院が締め切りにまにあわなかったとかで落ちている),これまでのインターン指定病院に比べればはるかに妥当な線といえるかもしれない.その意味ではいまわれわれはスタート台に立っているスポーツ選手に似ている.多くの期待と不安とが交錯する中で勇気をもって進まねばならない,その中でも最も勇気をふるって取り組まねばならない中心課題は大学病院であって,従来の官僚的考え方では解決できない難題を多数かかえており,この解決の方向こそ他の研修病院の運命を左右する状態にある.
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