今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989
出血性疾患の病態と診断
DICの新しい診断基準
小林 紀夫
1
1群馬大学医学部・第3内科
pp.2349-2351
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222931
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従来,DICの診断は,顕著な出血症状や各種臓器症状を呈し,消費性凝固障害の明らかな典型的DICを主たる対象としてなされてきた.したがって,迅速に診断して治療する必要のある場合が多い.そこで,DICの診断は一部の専門家に委ねることなく,また時間を要する,あるいは特殊な技術と機器を要する検査に頼ることなくなされることが望まれてきた.
このような事情を踏まえ,比較的簡便な検査法を用いたDICの診断基準がいくつか報告されてきた.それら比較的初期の診断基準のうち,1974年Minnaら1)により提唱された基準はわが国にも紹介され広く利用されてきた.わが国でも1980年,厚生省DIC診断基準が公表された2).
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