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DIC診断基準に関する最新情報
和田 英夫
1,2
1三重大学大学院医学系研究科 血栓・止血異常症診療センター
2三重大学大学院医学系研究科 臨床検査医学
pp.80-82
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102354
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[DIC診断における落とし穴]
1. DICでフィブリノゲンが低下しない?
血液内科に所属していたときは,筆者は急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia,APL)などの白血病DIC(disseminated intravascular coagulation,播種性血管内凝固症候群)ばかりみていた.集中治療室での感染症DICに初めて遭遇したとき,DICは重篤なのにフィブリノゲン値が高いままなのには,最初は戸惑った.白血病DICではフィブリノゲン値が低下しない限り,DICに対する治療の必要性は少ない.一方,感染症DICでは線溶系が抑制されているため,フィブリノゲン値が低下しないのに臓器障害などのDICの病勢は進行してしまう.このため,感染症のDICを診断したら,直ちにDICの治療を行う必要がある.基礎疾患によってDICの病態が相違なることを痛感させられた(表1).
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