今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡
座談会
水・電解質代謝の調節系
清水 倉一
1
,
内田 俊也
2
,
吉富 宏治
3
,
黒川 清
4
1東京労災病院
2東京大学医学部・第4内科
3自治医科大学・薬理学
4東京大学医学部・第1内科
pp.2233-2247
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222909
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黒川(司会) 今日は「水・電解質代謝と酸塩基平衡」という特集の座談会ということなのですけれど,時間の関係もあるので,ここでは水とNa,Kの調節系ということについて話を進めていただいて,酸塩基平衡については今回は触れないでおこうと思います.
水・電解質代謝とは一体何か.我々の体の中の水の量とか,それに含まれている電解質の量,濃度は常に一定に保たれているわけですが,水,Na,Kなどの電解質の代謝の1つの特徴は,他の物質の代謝と違って他の物質に変換されることなく,体の中に分布しているという点です.もちろん正確にいえばそうではないわけで,例えば代謝で水が作られるとか,そういうこともありますけれども,脂肪とか,蛋白のようなmoleculeそのものが変わってしまうとか,そういう意味からいう代謝ではない.ということから,体の中にある電解質の量は常に一定に保たれていて,その細胞内・外液中の濃度も一定に保たれているというのが1つの特徴です.
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