コーヒーブレイク
LDHアイソザイムによる心筋梗塞の診断とLDH欠損症
O A
pp.41
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204832
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中年の肥満の男性が、食事療法と運動を勧められて、ジョギングを始めたところ、運動中に前胸部痛が出現したため、虚血性心疾患を心配して受診することはよくあることである。
急激な運動の翌日に、血液検査が行われればCPK、GOTなどはまず上昇している。医師が心筋梗塞を疑って、CPK、LDHなどのアイソザイム検査が行われる場合がある。上昇した酵素の由来臓器は、この場合はもちろん骨格筋である。CPK活性は上昇の主体はMM分画である。しかし骨格筋中にもCPK-MB分画が1%以上含まれているので、MB活性の上昇も見られる。MB活性の上昇を見て心筋梗塞と誤診する可能性があるので、この場合に診断的価値のある特異性の高い検査はLDHアイソザイム検査である。LDH1≧LDH2ならば心筋梗塞と診断される。
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