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特集 小児臨床検査2024
Ⅴ.髄液一般検査
3.乳酸,ピルビン酸,LDH・LDHアイソザイム
Lactic acid, pyruvate, LDH/LDH isoenzyme
小坂 仁
1
Hitoshi Osaka
1
1自治医科大学小児科学
キーワード:
乳酸
,
ピルビン酸
,
LDH
,
ミトコンドリア病
,
髄膜炎
Keyword:
乳酸
,
ピルビン酸
,
LDH
,
ミトコンドリア病
,
髄膜炎
pp.138-139
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001899
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Ⅰ.乳酸,ピルビン酸
1 検査の意義と適応
生体内では,グルコースはピルビン酸まで代謝され,ピルビン酸脱水素酵素複合体によってチアミンを補酵素としてアセチルCoAとなり,その後TCA回路に入りアセチル-CoAのアセチル基を酸化する。脳脊髄液(CSF)中の乳酸は,イオン化した状態では中枢神経系への移行が遅いため,脊髄液内の乳酸とピルビン酸の濃度は,主に脳組織の解糖代謝の指標となる。髄液乳酸,ピルビン酸値測定は,ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症や酸化的リン酸化の先天的障害など,ミトコンドリアのエネルギー代謝に関連する遺伝性疾患の診断評価において重要である。とくに小児においては,髄液の乳酸は啼泣や運動などの採取条件に左右されにくいため,高乳酸血症を認めた場合は髄液中の乳酸高値を確認することが重要である。
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