増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
免疫血清検査
84.リウマチ因子
岩本 幸子
1
1東京大学医学部・物療内科
pp.1826-1827
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222773
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リウマチ因子,またはリウマトイド因子(rheumatoid factor;RF)は,慢性関節リウマチ(rheumatoidarthritis:RA)患者血清中に高頻度に出現するIgGに対する自己抗体で,ヒトIgGのみならずウサギなど他種の動物のIgGとも反応する.
IgGの抗原としての反応部位はH鎖のFc部分にあり,未変性のIgGよりも変性重合したIgGおよび抗原抗体結合物を形成するIgGと強い反応性をもつ.RFの大部分はヒトIgGおよびウサギIgGの両者と反応するが,ヒトIgGとのみ反応するRF,ウサギIgGとのみ反応するRFなど少なくとも3種のRFが存在する.RFの免疫グロブリン(Ig)クラスとしては以前はIgMとされていたが,最近ではIgG,IgA,IgE,IgDのすべてのクラスに属するものが知られている.それぞれの臨床的意義については種々論じられているが,いまだに解明されていない点が多い.
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