今月の主題 循環器薬の使い方
高血圧
αブロッカーの使い方
西尾 一郎
1
1和歌山県立医科大学・循環器内科
pp.1532-1533
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222671
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●α遮断薬の降圧機序
α受容体のうち,α1受容体は,血管床においては血管平滑筋細胞膜に存在し,その刺激は血管収縮をもたらし,α2受容体は,交感神経末端に存在し,その刺激はノルエピネフリンの遊離を抑制する.前者の遮断は血管の弛緩をもたらし,血圧を下降させるが,後者の遮断は,ノルエピネフリンの遊離を亢進させ,血管の収縮,頻拍,腎傍糸球体細胞からのレニン遊出を惹起する.したがって,α遮断薬のうち,降圧治療に用いられるのは,α1選択性を有する薬剤である.
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